Daciの話

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kanagawa

ドイツ製ボックスカメラ
"Dacora Daci" で撮った花と牛の写真です。
(他SNSでも掲載しているので、もし既に見ている方はスミマセン。)

この Daciは、いったいどんな風に写ってるのかが
現像するまでまったく分からないカメラで
そこが面白いなと撮る度に思います。

シャッターは1/40位の単速とBだけ。
使用フィルムは120ブローニー判。

2、3年前、Flickrで知り合った方が
ボックスカメラを使ってたのを見て
面白い写真が撮れるカメラなんだなぁと思って
いろいろ調べ始めたのが切っ掛けで
ボックスカメラというものそのものに興味を持つ様になりました。

はじめ僕は正方形の6x6判を探すことにしました。

ボックスカメラは 620フィルム用のものが多く
620の場合、120フィルムからわざわざ暗所でスプールを
巻き換えてあげなくては使えず、それでは効率がわるいと思い
120用のボックスカメラというのを探していたら
このDacora社の6x6判 "Daci" を見つけました。

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デジタルカメラが今の様に普及する以前
あちこちで売られていたレンズ付きフィルムの「写るんです」と
構造的にはほぼ同じカメラです。
昔まだカメラが高級品だった頃に
おそらく家族スナップ写真用として登場した簡易カメラなのではないか?と想像します。
(旧タイプの製造開始は1948年から。後期型(画像)は1952年から製造。)
HolgaやDiana等のようなトイカメラもまた
この類のボックスカメラの系譜として生まれて来ているようにも思います。

デジタルカメラの普及で世の中の"写真"がどんどん綺麗になって行く様になって来ると
天の邪鬼な僕は、時代に逆らうかの様にどんどん汚い写真に
惹かれて行く様になりました。
それまではこれは駄目と思っていたはずの、フィルムの埃やキズ、ムラなども
だんだんと愛しいものとして思う様になって行きます。

そんな、その頃の僕の気分とぴったり合致してくれたのが、この"ボックスカメラ"でした。

撮影は至ってシンプル。
ただ撮りたい被写体に向かってシャッターをカシャと押すだけです。
ファインダーも付いてはいるものの
画面構成なんてまず正確には出来ません。
なんとなくそこに見えている被写体をなんとなく写し取る…
そんなカメラです。
単速シャッターなので、もちろん露出も自分では合わせられません。
露出オーバーだったらオーバーのまま
露出不足なら不足しているままの仕上がりになります。

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(ニセフォール・ニエプス View from the Window at Le Gras, 1826–1827)


ニエプスが自室の窓から何時間もかけてやっとの思いで像を定着させた
この有名な一枚の写真の頃に比べたら、随分と写真撮影は楽になりました。
(比較が少し極端でしょうか…)
その当時のことを想像してみると、こんな "Daci"のようなボックスカメラでも
すごく便利な「高性能カメラ」であることが分かります。

それと何より、この"Daci"は、形が可愛らしいので
部屋の中にちょこんと置いてあるだけでなんとなく和みます。






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Comment

ayuayuayuayua | URL | 2013.09.22 23:07 | Edit
とくに2枚目のお写真は、1枚の絵画のようです。本当に。
それにしても可愛らしい形のボックスカメラですね♪

noriさんのブログを読んでいたら、野口里佳のピンホールカメラで撮影した写真展を
観た時のことを思い出しまた。
やっぱり、デジタルカメラとフィルムカメラでは
何か根本的なところで違うように感じてしまうのは、その構造にあるようにも思えてきました。詳しくは知らないのに単純に動画の静止画のように思ってしまうところがあります。と言いつつデジカメでも撮影するのですが…(*^_^*)
nori | URL | 2013.09.22 23:42 | Edit
ayuさん、嬉しいコメントをどうもありがとう。
牛の写真ですか。^^
何だか普通のカメラでは、こういう写りってあまり
しなさそうですよね。
ね、可愛らしい形したカメラでしょう? ^^

野口里佳さんは写真新世紀で有名になった写真家だったと
記憶していますが、いったいどんなピンホール写真を
残しているんだろう。気になりますね…。

デジタルカメラとアナログカメラは
基本的な構造はどうやら一緒らしいですよ。
ただ光を受ける部分がデジタルの受光体か、銀塩フィルムか
といった違いなだけのようです…。
前にカメピのマイフレさんからその事は教えて貰いました。
言われてみると、なるほど…とも思えます。
ただ、何だろう?
光を原始的な方法で銀に感光させてそれを定着させるといった方法が
昔の写真術の頃と基本的には変わっていないというところが
僕はどうやら好きみたいです。
光をフィルムの中に閉じ込める、みたいな感覚が好きなんですよね…。
デジタルだと「何かそこは違うぞ…」という感じなんです。
便利だし、僕もよく使ってますけどね、デジカメ。^^

さっき、写真の歴史をすごく分かりやすく書いている
HPを見つけたので、今度ここにもURLを載せたいと思います。
egipanda | URL | 2013.09.23 01:17
凄い!すごい!すごい可愛いですね!(大事なことなので3回いいましたw)

中身はトイカメラとほぼ一緒なのかしら?
私も持ってるのは写ルンですと全く一緒な35ミリのシャッター押すだけのやつ
と・・・今はフィルムもないけど110のこれまたシャッター押すだけのトイカメラです

どっちも不安定な写りでシャッタースピードも遅くて
ドキドキな写り方してくれます
だからこそたまには・・って使いたくもなるんですけどねw
nori | URL | 2013.09.23 13:48 | Edit
egipandaさん、コメントどうもありがとう。
すごいx3 可愛いですか!!
すごいな、3回も言って貰っちゃいました… ^^
そうですよ、中身はトイカメラとまったく同じ構造です。
トイの方はプラスティック製で、こっちは金属製という
違いくらいでしょうか。
egipandaさんのトイカメラ、どんなカメラなのか
今度見せていただけますか?
トイカメラも僕は大好きで、ときどき使うんです。
あの独特の写りは、高級なカメラでは絶対に撮れない味が
ものすごくあるんですよねー。^^
110フィルムは、最近Lomographyから出てますよ。
なので今度機会あったら、また使ってあげて下さいネ。

そうなんですよね、どんなのが写ってるんだろう?という
あのドキドキ感がたのしいんですよね。^^
しかも玩具なので、めちゃめちゃ軽いし。笑
mayumi | URL | 2013.09.24 02:39 | Edit
写真も良いけれど、書いてある文章にも「うん、うん」ってうなずいてしまいました。特に「デジタルカメラの普及で世の中の" 写真"がどんどん綺麗に…」のところ(笑)
すぐに綺麗な写真を撮れるようになったのに加え、撮った写真が気に入らなかったら、簡単に編集することもできるこの時代には完全に逆行するのでしょうけれど、今後も上手く撮れずに落ち込んだり、上手く撮るために考えたり、工夫したりする時間を楽しみたいと思います。

あ、それでもnoriさんに比べると、私はだいぶ楽しちゃってますけどね…(笑)
ひよちん | URL | 2013.09.24 05:12
牛がなんとなく浮き出てみえます(*^^*)
それにしてもかわいいカメラだね☆
フタをあけたらアメやクッキーがはいってそう♪
こういう色でこういう構図の写真を撮りたい、って作りたい写真のイメージが決まってたら使いにくそうだけれど、なんとなくその場の雰囲気を切り取りたい、にはピッタリ♪
カメラは全然違うけど、EE2で撮る気分のときと似てるのかなぁ、って想像してます(*^^*)
にゃんころりん | URL | 2013.09.24 11:08 | Edit
おもしろいですねぇ、この写真とカメラ。
2枚目なんて、百年前の写真と言われても信じてしまいそう。
暴れ馬フィルムもいなないているし。=^_^;=

デジタルは利便性とコンデジの携帯性でよく使いますが、先日コンデジで撮った写真をネットプリントしたものができあがってきました。これが、なかなかいいのです。しまった、もっといっぱい注文したら良かった、と思っちゃうほど。どうも、デジタル銀塩プリントだからかもしれません。これ見よがしに色鮮やかではなく、画像もなめらかな感じ。もっといろいろ試してみようと思ってます。デジタルも、最終出力をPC画面ではなく、銀塩プリントで行うと結構イケます。やはり、ヒトたるもの、どこかに銀塩プロセスを入れる方がしっくりくるということかもしれません。
miura | URL | 2013.09.24 22:57
こんばんは。
お花も牛さんも良いですね〜。
複雑な、というか手数をかけた工程を経て撮られた写真って、やっぱりその分だけ何か見ていて疲れる時があるんです(歳のせいではないと思うが^^;)。
極端な比較だけど単純さって貴重だなあって。。
Box Cameraやっぱり楽しそうです。佇まいも良いですね。
実はEnsignのが気になってるんです^^

ではでは!
nori | URL | 2013.09.25 08:39 | Edit
mayumiさん、コメント有難うございます。
僕はこの頃困ったことに、綺麗に写真が撮れてると
「ちェッ、綺麗に撮れちゃったよ…」と半ばがっかりしてしまう事迄あるんです。
折角フィルム使ってるんだし、もう少し粒子荒れてくれた方がいいよなぁ、とか
ピント合ってない方が面白いのに、とか、そんなことを思うことも増えました。

完全にひねくれ者です。
でも、それが自分にとっては自然な感情なので、そればかりはどうすることも出来ません。
撮った写真が気に入らなかったら、簡単に編集出来てしまう… ということは
考えてみたら、ものすごく効率的だし、それはつまり"経済的"でもあります。
日々暮らすので精一杯の貧乏人の僕なんかには、この上ない条件の揃った
最高のカメラなはずなんです。

だけど、デジタルは僕にはちっとも面白くない。

どうも僕は、非効率なものに惹かれる性質を持ってる様なんです。
面倒くさいから面白い。なかなか言う事聞いてくれないから、惹かれて行く。
ん?それって、恋愛にも似てませんか?

何でも自分の思うがままに撮れてしまう写真なんて、まるでわくわくしません。
ただ自分の操作方法の正確性に、つかの間、酔える程度です。
何でも言う事聞いてくれちゃう相手なんて、全然わくわく出来ません。
何だか一筋縄では行かない相手だから、だんだん好きになる。
メンドクサイんだけど、相手をもっと知りたくなる。
喧嘩も耐えないけど、でも離れられない… みたいな(?)。

わくわく出来るか否か。
どうもそこだけなんじゃないか?と、この頃は思ってます。
自分で何でも操作出来ちゃったら、結局そんなの自分自身を確認しているだけで
未知の"恋"が全然出来ないじゃないですか…。
(いや、これは旅だろうか??)

話が何だか逸脱して来たので、今回はこの辺で終わりたいと思います。笑
nori | URL | 2013.09.25 08:55 | Edit
ひよちん、コメントどうもありがとう!
そうなんだよね…
この写真、牛がなんか、浮かんで見えるんだよね。
でもこのカメラで撮ると、みんなこうなる、という訳ではないんです。
これはたまたま、こう撮れただけという…。
自分でもこの一枚はとても気に入ってて、何かへんな写真だなぁ、って
見る度に思ってます。

たぶん、これ、クッキーや飴玉入れといてもOKだと思うよ。笑
それくらい、簡単な構造のカメラだし。
何にも複雑な箇所がないんです。
お弁当箱みたいなものだし、レンズとシャッターがあること以外は。笑

そうそう、こういう写真が撮りたい!というイメージがもしあったら
こんなにストレス溜まるカメラも無さそうです。笑
そういう時は僕も、このカメラは使いません!(断言^^;)
でも、自分の意思を離れたような写真が撮りたいときは、これは打ってつけ。
そうそう、ひよちんのEE-2と気分的にはすごく似てると思う。
"自分自身"というものから解き放たれた写真が撮れたときの喜びって、
あれはすごく大きいでしょう?
あれこそ僕は「写真の醍醐味」だと思ってます。^^
nori | URL | 2013.09.25 09:18 | Edit
にゃんころりんさん、コメントどうも有難う。
この牛の写真、なんだか変な写真でしょう?
このカメラのレンズのボケ方が独特で、こんな感じに写ったみたいです。
でもこれは、近景と遠景と真ん中の牛の位置のバランスとこの時の光が
偶然にこういう構成になっていたから、この不思議な感じが出たわけで、
こんなの、自分で計算してまでは決して撮れません。
偶然性以外の何物でもない一枚です。
(この牛の写真のフィルムは、確かTri-Xで、暴れ馬ではないんです。
上の花は上海GP-3だったか?"もう一つの暴れ馬フィルム" です。笑)

にゃんさんがデジカメよく使ってるのは、よーく知ってます!^^
にゃんさんくらい数多く撮る人には、フィルムだけでは流石に追いつかなそう。
写真もプロセスなんかより最終形態こそが、本当は重要なんだろうね。
そういう意味では、今の自分は失格です。
ただPCにアップしてるだけなんて、そんなので「僕写真やってます」だなんて
本当に堂々と言えるんだか??

プリントの話は、にゃんさんのBlogでも読んだけど、そうなんだ?
そういう話聞くと、何か気になって来るものだね。笑
プリントというあの"紙"の感触というか、質感がいいのかな?
デジタル書籍を読んでるよりも、紙で作られ製本されてる"本"を読む方が
何かやっぱり読書してる実感がある!…みたいなのと一緒で。(?)
現物を今度、見てみたいです。
nori | URL | 2013.09.25 10:08 | Edit
miuraさん、コメント有難うございます。
この花も、牛も、Flickrに載せてたものなので、
miuraさんはひょっとしたらご存知な写真だったかも知れませんね。

「複雑な手数をかけた写真は、その分だけ見てて疲れる…」というお話は
なんだか興味深かったです。
僕は、ここだけの話ですが、Mark Entwisleさんが撮る多重写真が好きで
自分も一所懸命に真似して、多重写真を手数掛けて試してみてるんですけど
なかなか彼のようには上手く撮れずにいます。
また、Falling Thru The LensさんのHolgaの写真も本当に見事じゃないですか?
あの連続写真のようにして、シャッター開いて撮る技術は
とても面白いテクニックで、毎回感心してしまいます。
(FlickrのAmyさんが、どうやらあの技の出所みたいですが。)
ああやって彼らの様に例え手数掛けて撮られていても
疲れずに見られる写真もあるよなぁ…と思うんです。
でも一方で、ヨーロッパ系の人に多いけど、きっちりしっかりと
構図を決めて、光と影の条件も完璧で、ハッセルブラッドかなんか使って
もう非の打ち所のないような完璧な写真イメージを作り上げて来る人って
結構多くいるじゃないですか?
ああいう「反自然主義的」な写真は、見ていてどうも疲れますね。
日本人の持っている「自然さ」や「曖昧さ」って、
僕はとても写真に向いている感性なんだろうなと以前から漠然とだけど
思っていました。

ボックスカメラ、たのしいですよ。
miuraさんの6x9Folding cameraにクローズアップレンズというあの方法にも
僕はすごく惹かれてますが、ボックスはまた全く違った形のたのしさでしょうね。
EnsignのBoxですか?何だろう?
もしかして、あの変な形の"Ful-Vue"でしょうか?^^
それとも矢鱈と縦長い形の6x9の?…かな?

ボックスは何ともおかしなカメラが沢山あるんですよね。笑
なゆた | URL | 2013.09.25 18:34 | Edit
牛!!凄く良い描写ですね!!
そして、単純な造りのカメラで撮ったというから更に驚きです。
BOXカメラ、初めて知りましたが、見た目も可愛くていいですね♪
カメラは、持ち歩きたくなってナンボ。機能もそうですが、見た目も重要だと思っています!!

デジタルは、綺麗に撮れて当たり前という感じがします。自分の腕と言うよりは、カメラの性能に助けられて撮れた写真なのではないかと思ってしまうんです。
一方、機械式のカメラは、良いショットは少ないし、露出もピントも合わせるの大変。
でも、デジタルでは表現出来ない写真が撮れると、止められなくなります。
何十年経っても現役で使えて、しかも良い仕事をしてくれるカメラには脱帽です。
nori | URL | 2013.09.25 19:30 | Edit
なゆたさん、コメントどうもありがとう!
この牛、なんだか面白い写りでしょう?笑
これ、撮った自分でも見る度に「面白いよなぁ」って思います。^^

Boxカメラは、1940~60年代頃の時代に作られてた簡易カメラです。
日本はおそらくその頃、工業製品としての"真剣そのもの"の
フィルムカメラをどんどん作って、ドイツ製やアメリカ製カメラに
勝つために必死な時代だった様に思います。
そして、高性能なカメラを沢山世界中に輸出していました。
そういう時代に、ヨーロッパやアメリカでは家庭でも簡単に使える
簡易Boxカメラを"遊びの感覚"で作り出していたのではないかと思います。
それぞれにデザインも洒落てるし(アールデコ調なんていうのもあります。)、
その佇まいが何ともユーモラスだったりします。

僕もなゆたさんと同意見ですね。
カメラは持ち歩きたくなってナンボ。その見た目は使ってる人の
気分を高揚させるための、重要な要素でもありますよね!

デジタルカメラは頭が良すぎて、そう、なんか自分自身が操作している
実感に乏しいんですよね。
それは記録するにはとても便利だし、PCで遠方の人への伝達に使うには
もう無くてはならないとても重要なツールですけどね。
でも純粋に遊び(趣味)として使うには、僕には何だか物足りません。
デジタルで表現できない写真の形は、たくさんあります。
そこに強く惹かれているので、僕はフィルムカメラを手放せずにいます。

機械式カメラは手入れさえしてあげていれば
本当、何十年でも現役でいてくれますね。
健気で、かわいいなと思います。
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