変化

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kanagawa

今年の終わり頃になって僕は二人の写真家との出会いから
自分の写真がどこかで大きく変化して、そして少しだけ前進出来た様な気がしている。

その一人は2009年にこの世を去ったニューヨークの写真家
Vivian Maierとの出会い。
彼女の写真と出会ってから、僕は何かよく解らない静かな衝撃を今でも受け続けている。
はじめは彼女の撮るセルフポートレイトをネット上で見て、その写真世界を知った。
あのときの衝撃というのはいったい何だったのだろう?
今でも上手く言葉に出来ないままだ。
そしてその後に見たニューヨークの街中で撮られた数々の人物スナップ群…。
それらは相当膨大な数に及ぶはずだ。
2009年に彼女が83歳で亡くなってから発見(発掘)されたものだというが
彼女は何年の間、そうやってコツコツと写真を撮り貯めて来ていたのだろう?
powerHouse BooksとCityfiles Pressから彼女の写真集が計3冊出されているが
その辺の逸話はそれらの本の中にきちんと書かれているはずだ。
( 英語力のない僕にはそれを翻訳するだけの能力もなく… )
彼女については今後映画化も予定されているそうなので
その辺の話はその中でいずれ明らかになるのだろう…。
近々、彼女の写真集だけは買っておこう、と心に決めている。

もう一人は某写真SNSで知り合った、こちらも女性の写真家 "Nさん"。
彼女のことをもし「写真家」などと目の前で呼んだら
途端に彼女は謙遜してしまうことだろう。
普段ふつうに仕事をして休日になると街に繰り出し
お気に入りの中判カメラとモノクロフィルムで人物スナップを撮っている女性である。
彼女はそのお人柄だろうかポートレイトや人物スナップをいつも上手に撮って来る。
その写真を見ているこちら側までもが何となく幸せな気分になって来る様な
そういう写真をいつも淡々と撮って来る。
その行動力と情熱は腰の重い自分から見たら、毎回ただ感心するしかない。
まだまだ彼女の撮る写真は完成されたものではない、と今は敢えて書いておくけれど
もし、彼女がこのままこの先も今と同様に次々に人物を撮り貯めて行った末には
おそらく物凄い力を備えた"素晴しい写真作品群"が生まれて来ているに違いないと
僕は密かに思っている。
もうそう遠くない何年か先に、彼女はいつしか他の追随を許さない位の
偉大で素晴しい「写真家」になっていることだろうと思う。

Vivian MaierもNさんもそれぞれに「人物」を撮ることに重きを置いている。
街中の人々を、それぞれ独自の視点で捉えている写真家たちだ。
僕はそんな彼女達の撮る人物写真を見ていて
そこに写されているものは、今迄の自分にいちばん欠けていたものだったのではないか?
ということに気付かされた。
自分自身の「写真観」のようなものがこの二人の写真との出会いによって
ガラリと変化した。
写真観が変わった、ということはつまり「世の中の見え方が変わった」ということでもある。
これは僕自身にとっては、"大きな事件" だった。

とは言っても自分は自分である。
自分の撮る写真は形の上ではそう大きく劇的に変わるものではないと思う。
けれど、明らかに写真に向かう"姿勢"みたいなものが以前と変わったな…と
ここ何週か外を歩く度に思う様になったことだけは確かだ。



......


今年、Blog『nori@』に遊びに来て下さった方々に心から感謝します。
どうぞ よい年をお迎え下さい。


......





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Comment

ちまま | URL | 2013.12.31 22:07 | Edit
こんばんわ^^
私も、Nさんの撮る写真にはいつも「!」とか「♪」の感情が出てきます。
スナップや人物撮りは苦手だけど、彼女に少しでも近づけたらなぁなんて思ってしまったり^^
何年もしないうちに、写真家となってそうですよね!
あの行動力にも素晴らしいです^^
週末にのびのびと出かけられるよう、子どもたちよ 早く大きくなってなんて思ってしまいます。
まだ今のうちがかわいいんですけどね^^;
今年もnoriさんにいっぱいありがとうございました、です。
写真を撮りはじめて、いろんな出会いもありフィルム写真にも出会い、中判にも出会い、みなさんのフィルム写真に「!」」「♪」の出会いが。
あらためてフィルムの良さが感覚的に「♪」になっていきます。
noriさんからのコメントには、写真を通して私の知らない「私」の事をかいていただいていたり^^
noriさんも忙しそうですが、たくさんの優しい暖かい光が訪れることを願っています。
akeena | URL | 2013.12.31 22:48
ブログにお邪魔させていただきます😊

存在は知っていたけれど、
プライベートを覗いてしまうようで
気が引けていました。

わたしはカメラの世界の入り口にも
立てていませんが、noriさんを含め、たくさんの方に刺激をもらいました*.*

来年もよろしくお願いします♡
egipanda | URL | 2014.01.01 04:27
いいですね
それを言うなら私は出会う人みんなnoriさんも含めて偉大な写真家って事になります
私なんて本当にカメラの機種を愛する訳ではなくて、撮り方、撮られ方、出来具合、とかそっちの方から入ったんで、本当にみんな詳しくてビックリしてます

それにみんな撮る感覚も違うからみんなの写真を見てるだけでも刺激を受けてばかりです

でも、、、
本当にこれは……!って思う有名人を上げるなら虻川美香とかアラーキーとかですかね
あれは本当別格ですね(笑)
nori | URL | 2014.01.02 10:15 | Edit
ちままさん、明けましておめでとうございます。
ちままさんもNさんの写真に影響受けてるんですね。
あの彼女の行動力、本当にすごいですからね。

ちままさんは、お子さんが居るんだし、どんどん
お子さん達、撮ってあげたらいいと思います!
子供の成長って、本当に早いでしょう?
僕は年に一回だけ会ってる姪っ子が二人居るけれど
彼女らの成長の早さに、正直驚いています。
何でもっと小さかった頃から、彼女たちのことを
叔父さん(オレ)は、写真にきちんと撮って来なかったんだろう?と
後悔してます。
写真家としては失格です…。
自分の写真のスタイルに、迷ってばかりいた為に
彼女たちのいちばん可愛らしかった幼少時代を
すっかり撮り逃してしまった気もします。
(撮れたのは、わずか数枚だけです…。)

ま、それはさておき、今年もどうぞよろしくお願いします。
ちままさんにとって、2014年が良い年であります様に!
ハッセル写真、たのしみにしていますよ !^^
nori | URL | 2014.01.02 10:44 | Edit
akeenaさん、明けましておめでとうございます!
遊びに来てくれて、コメントも残してくれて嬉しいです。どうもありがとう!
いいんですよ、Blogはそんなプライベートな部分を
公に発表するような場なんですから。^^
自由に出入りしてコメントもどんどん残してもらえたら
僕としてもとてもうれしいです。
(大丈夫です、そこまで全てを大っぴらには書いてませんので。笑)

akeenaさんの写真は、自分自身には今迄正直無縁だった
世界観の写真でもあったので、興味深く見させてもらっています。
(akeenaさんは僕から言わせると、すごーく女性らしい女性で、
これ迄自分の周りに居たカメラやってたり、絵を描いてたりという
クリエイティブ系の女性たちとは雰囲気がちょっと違う女性なんです。)
が、僕は、自然の風景に向かうakeenaさんの視線がとても好きです。
akeenaさんの風景に向かう目は、すごく鋭い感性を感じるのです。
直感力とでも言うか…。

iPhoneで撮る写真は、それこそプライベート写真そのものという
感じで、その人の生活の中を覗き込んでいるかの様なドキドキ感があるものですね。
最近は、Latteに写真を載せる事が楽しくなって来たというakeenaさん。
その話を聞いてて、お、よかったね!って思ってました。^^
写真は、言葉なしでも気持が見る人に伝わるすごいコミュニケーションツールです。
これからもどんどん撮って、写真を見せてくださいね。

僕の方こそ、今年もよろしくお願いします!
で、またここにも遊びにいらして下さいね。
mai | URL | 2014.01.02 11:50 | Edit
あけましておめでとうございます。
写真…他者に影響を及ぼすものに出会えるなんて、
そう簡単なものではありませんよね。
写真の内なる声?世界?に共感できるnoriさんのアンテナの広さに感銘をうけてます。
ご紹介していたビビアンさんのスナップはとても面白く感じました。
イジスさんやドアノーさんとも違う感じかな?

noriさんにとっても今年一年が良い年になりますように。
nori | URL | 2014.01.02 13:38 | Edit
egipandaさん、明けましておめでとうございます。
いつもコメントどうもありがとう!
カメラのこと詳しい人は世の中、本当に多いですよね。
僕はいろいろなカメラは持ってはいるけど、実はそんなには詳しくないんですよ。
"銀塩カメラ"というものがどういう構造なのか?という基本的なことを知っている
というだけで、カメラそのもののことはそんなに詳しくは知りません。
だから、最新のデジカメのことになると正直まるでチンプンカンプンです。

僕はどちらかと言うと「写真」の方に興味があります。
写真の歴史とか、写真とは何か?といったことです。
人はみんな違うように、撮ってる写真もみんな全て違いますよね。
そこが写真のいちばん面白いところなんじゃないか?とも思います。

荒木経惟の写真に、僕は90年代に夢中でした。
でもあの人は言葉が強過ぎて、すぐにそういうのに影響されてしまう僕は
だんだん氏の言葉は僕にとって"邪魔"になって来てしまいました。
そんな訳で、今はもう荒木さんの写真を見ても無反応になってます。
一種の "親離れ"です。笑
蜷川美花の写真は、女性に大人気ですよね。僕はモノクロばかり撮ってるせいか
あまり彼女の写真には惹かれずに来ましたが、彼女の写真には女性の心を動かす
何かがあるんだろうなぁ、と思いつつ時々横目で眺めています。

今年もよろしくお願いしますね…。
nori | URL | 2014.01.02 14:36 | Edit
maiさん、明けましておめでとうございます。
コメントどうもありがとう!
この世の中には素晴しい写真を撮っている人がたくさん居る、と
僕に改めて知らせてくれたのは "Flickr"でした。
Flickrが日本語対応されていない、という点は
一体どうしてなんだろう?と未だに不思議で仕方ないことなのですが
いつしか、日本語対応をしてくれる事を期待しています。
僕は昔、東京の洋書店迄しょっちゅう出向き、色々なプロ写真家の写真集を貪る様に
見て来ましたが、今はネットで簡単に世界中のプロだけでなく
アマチュア写真家の写真までも沢山見られる時代になってるので
本当に便利な時代になったよなぁ、と痛感しています。
僕は今でも時々Flickr他を眺めては、色々な「いい写真」を探しています。
それらを見ていると、色々なインスピレーションを与えて貰えるからです。

本文に書いたVivian Maierは、生涯アマチュア写真家でした。
ニューヨーク市に生まれ育った彼女は、ニューヨークという
様々な個性を持つ人たちの集まる街とそこを行き交う人々に強い興味を抱く様になっていき
ローライの二眼レフでそれらを次々にスナップして行く様になります。
イジズやドアノーとは、ニュアンスが違う写真家かも知れませんね。
例えば、ダイアン・アーバスやウィージー、ヘレン・レヴィットといった
同じニューヨークを舞台に活動した写真家たちの写真と比べて見て行っても
その彼女の写真の世界観はまるで違います。
独特でとてもニュートラルで、何処か子供の様な目線を持った写真家だなと
僕は感じています。
そしていちばん僕が彼女の写真に感じることは、「ご近所感覚」なんです。
けして遠くを旅して写真するのではなく、すぐ近所迄出向いていって
ちょこっと撮って来る写真、という感じがするんです。
そこには何の怯えもなく、いつも堂々と撮ってる。
その街の生活者ならではの目を持っている気がします。

maiさんにとって2014年が良い年であります様に…。^^
またBlogの方、伺いますね。
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